30:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 22:18:37.99 ID:k4J2UGZx0
新城「どちらに向かわれるのですか?」
会議室を出たところで、新城に尋ねられる。
同じ組織の頂点を目指す者同士、互い互いをライバル視している関係の男。
よもや邪魔をするつもりだろうかと、室井が警戒心を露わにすると、彼は質問を繰り返した。
新城「どちらに、向かわれるのですか?」
噛んで含めるような、問いかけ。
少しばかりの葛藤の後、室井は口を開いた。
室井「便所だ」
新城「フハッ!」
その回答に、新城は思わず吹き出す。
初めて聞く、堅物の彼のおかしな笑い声に目を丸くしていると、彼は表情を引き締めて、室井の耳元で小さく囁いた。
新城「……ご武ウンを、祈ってます」
妙なイントネーションだが、気にしない。
室井はそれっきり振り返ることなく、留置所のトイレを目指した。その後ろ姿を見つめる。
彼の臀部付近に……染みが広がっていた。
新城は室井のスラックスの染みを見て、またおかしな笑い声を上げる。もう、止まらない。
新城「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」
新城の狂ったような嗤いが、響き渡った。
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