青島「どうして署内でうんこが漏れるんだ!」
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29:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 22:16:05.51 ID:k4J2UGZx0
室井「……」

青島の声を聞きながら、会議室で室井は思案に耽る。両の手のひらを合わせ、親指で眉間に刻まれた皺を揉む。それでも答えは出ない。

青島の無線とは別に、語り掛ける声がある。
それは警察庁でこれまで事件の推移を伺っていた長官である。彼の罵声が会議室に響く。

長官『室井!今すぐトイレに迎え!!警察官僚が糞を漏らすなどあってはならんっ!!』

それは極めて政治的な問題だった。
エリートが糞を漏らすなどあってはならない。
もし警察庁、もしくは警視庁のキャリアが糞を漏らせば、それはあまりに大きな汚点となる。
もちろん、出世の道は閉ざされる。
しかし、室井の事情など長官にとって知ったことではない。彼が危惧しているのは、この件が他の省庁に知られた際の風評被害だ。

1人2人が漏らした程度ならば、漏らした本人を処分すれば組織としての面目は保たれる。
しかし、それが10人、数十人単位で漏らしたならば、全員を処分するわけにはいかない。
もちろん、そんな組織を揺るがす大事件が起これば、長官の身も危うくなる。
組織を守る為、そして自身の保身の為に、長官は室井に声を大にして命令を下した。

長官『室井!!絶対に漏らすな!!可及的速やかにトイレに向かい、うんこをしろッ!!』

完全に頭に血が上った長官の怒鳴り声を聞きながら長考していた室井が、静かに目を開ける。
そして彼は現地責任者として、決断を下した。

室井「全捜査員に告げる。今すぐ、トイレに向かえ。階級や役職は問わない。早い者勝ちだ」

その言葉で、一斉に捜査員が動き出した。
我先にと留置所へと向かう。皆、必死だ。
その様子を暫し呆然と眺めながら、室井もゆっくりと立ち上がった。完全に、出遅れた。


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