菊地真「少しの勇気を想いに込めて」
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11:名無しNIPPER[saga]
2017/05/30(火) 04:19:57.04 ID:0pd4b6qCo




「お疲れ様、真」

「お疲れ様です、プロデューサー!」

「はは、真はまだまだ元気そうだな」

あははと笑うプロデューサーに、貴方と一緒にいられるから元気なんですよ、という言葉を必死に堪える。どんなに疲れても、プロデューサーの顔を見れば元気が湧いてくる。笑いあえればどんな疲れも忘れることができる。プロデューサーもそんな気持ちだったらいいな、なんて思う。

「さてと、じゃあ遅くならないうちに帰ろうか」

「ええ、そうですね」




車内が静寂に包まれる。デートに誘うならここだと分かっているのに言葉に出せない。『デートしてくれませんか』という短い言葉がどんな言葉よりも重く感じる。

「真、なにかあったか?」

「ふぇ……?」

「んんっ、ふふ。面白い声を出すんだな。
まあ、それは置いといて、さっきから様子が変だからな。なにかあったのかと思って」

「よく分かりますね……」

「真のプロデューサーだからな。で、どうしたんだ?」

すうっと大きく呼吸する。

「ぷ、プロデューサー!」

「ん…?」

「で、デート! してください!」

プロデューサーが驚いているのがわかる。そしてボクの顔が真っ赤なのも。

「デート、か」

「駄目……ですよね、ごめんなさい……」

「いや、いいよ」

「え!?」

はいはい、断られ…え? いい、って言った? OK?

「真から言い出したのになに驚いて……」

「てっきり断られると思っていたので……」

「まあ、美希ならともかく真に誘われたらな」

「そ、それってボクのことが…!?」

「いやいや、違う! 真に誘われるのが嬉しいとかじゃないから!」

「……」

そんなに否定しなくてもいいのに。ボクに気持ちが向いてないのは分かってるけどそんなに全力で否定されたらやっぱり悲しい。

「あ、その…ごめん……」

「いえ……」

「あー、その。次のオフでいい?」

「あ、はい!」

「うん、それじゃあ何処に行きたいとか希望をまた教えてな」

「分かりました! えへへ……」



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