16:名無しNIPPER[sage]
2017/05/26(金) 21:45:50.49 ID:qzZUPq200
しばらく抱擁する。長門は震えていた。
その震えがどうか収まることを祈りつつ、俺は慎重に言葉を選びながら、口を開いた。
キョン「長門……聞いてくれ」
長門「……ん」
キョン「さっきのTバックは、確かにとても良く似合っていた。だけどな、他にも下着はある」
長門「……他にも……?」
キョン「ああ。だから、ちょっと穿いてみてくれないか?実は、お前の為に買って来たんだ」
そう言って、買い物袋を差し出す。
道中で、妹への土産と言った物だ。
長門はそれを震える手で受け取った。
長門「……妹へのお土産と言っていた」
キョン「それは嘘だ。気恥ずかしくてな」
長門「……そう」
キョン「俺からのプレゼントだ。気に入るかはわからんが……どうか、穿いてやって欲しい」
長門「……ありがとう」
長門の頬に、透明な雫が伝う。
ポロポロと零れ落ちるそれには、悲しさは微塵も含まれておらず、とても澄んだ綺麗な涙だった。
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