長門「……Tバック、好き?」キョン「えっ?」
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10:名無しNIPPER[sage]
2017/05/26(金) 21:28:10.39 ID:qzZUPq200
再び自転車に二人乗りして、長門のマンションを目指す。夜の街道は、とても静かだった。

自転車を漕ぎながら、俺は感慨深い思いを抱いていた。まさか長門と買い物する日が来ようとは。
出会った当初からは想像もつかない。
それほど、長門は成長していた。

今日1日にしてもそうだ。表情が豊かになった。
赤の他人からすると無表情のように見えるかも知れないが、そろそろ付き合いの長い俺や他の団員には、よくわかる。長門は変わった。
だんだんと、普通の少女へと近づいている。
それを裏付けるように、長門は俺の背にしきりに頬を擦り付ける。実に可愛らしいと思った。

長門「……なに、買ったの?」

キョン「ん?あ、ああ……妹にお土産をな」

こっそり前カゴに忍ばせた俺の買い物袋に目ざとく気づいた長門を、適当に誤魔化す。すると彼女は、なにやら感心したように独りごちた。

長門「……あなたは、優しい」

キョン「そ、そんな大したもんじゃないって」

突然褒められて、顔が熱くなる。恥ずかしい。
反射的に否定すると、長門はまた背中に頬を擦り付ける。まるで俺の否定を否定するように。

長門「……あなたは、とても優しい」

二度目のお褒めの言葉。気の利いた返しが思いつかない。だから、黙ってペダルを漕いだ。

長門「……私は、そんな、あなたのことが……」

ガタンッと段差を乗り越える。危ない危ない。
話の続きに耳を澄ます俺だったが、待てども待てども長門は続きを話してくれない。

キョン「……長門?」

辛抱堪らず、問いかける。
すると長門は……

長門「……舌、噛んだ」

どうやら先ほどの段差を乗り越えた衝撃で、舌を噛んでしまったようだ。なんとも間の悪い。
ガックリ肩を落とす俺の背に、長門はごめんなさいとでも言うようにスリスリ頬擦りをした。


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