21:名無しNIPPER[sage]
2017/05/26(金) 19:30:54.16 ID:CAU4KMeYo
「ところでですね、実はもう一つおススメしたい商品が」
言って、女はまた違う商品を取り出した。
それはいわゆるユニットバス。
風呂とシャワーがセットになって、おまけに配管なんかもついて来る。
「汚れたままは可哀そうでしょう? 今ならセット割引で一万円」
「それはベッドも込みの値段かな?」
「ええ、もちろん」
確かにまゆは生き物だ。
今はまだそう気にならないが、やはり清潔さを保ってやるのは大事だろう。
これも飼い主の見栄と努め。
お椀風呂でも構わんが、なるべく良い物を与えたい。
「よし、貰おう」
「まいどありっ!」
しかしまた、手にした瞬間ふと思う。
「……トイレは?」
「はい?」
「トイレ、お便所。ベッドに風呂があるってなら、当然トイレも必要だよな?」
迂闊、今の今まで失念していた。
相手はなんだ? 生き物だぞ。食って出すのは摂理であり、それはまゆとて例外ではない。
女がふいに真顔になって、「気づかれましたか」と声のトーンを一段下げた。
占めて合計三万三千。高い買い物になってしまった。
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