森久保乃々「これだけは無理なんですけどぉ!!」
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6: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/05/22(月) 22:59:18.36 ID:kn3gGM8E0

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――

「…うぅ。」

「…ごめんね。」

「いや、プロデューサーさんが、悪いわけじゃ...。」

「でも、勝手に抱っこしちゃったし…それに、服も。」

 あの後。私は水たまりに見事にダイブしてしまい、びしょびしょに。今はレッスン用のジャージを着て、プロデューサーさんの車に揺られています。

「今度からは、ちゃんと起こすようにするよ。」

 申し訳なさそうにプロデューサーさんは謝ります。

「あ、いえ…その…。」

 普段から、杏さんが担当のプロデューサーさんに抱えられているのをよく目にします。それを少しだけ羨ましいと…思っちゃったり。だから抱っこしてもらったことが嬉しくて、ドキドキして、眠っちゃたことが少し残念で。

 あんなにプロデューサーさんと密着したのは、今までになくて、思い返すとすこし口の端が上がってしまいます。

 でも私には、『お姫様抱っこで構いません』なんて言う勇気も、度胸もなく。私のつぶやきは、窓に当たる雨がかき消しました。




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