森久保乃々「これだけは無理なんですけどぉ!!」
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19: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/05/23(火) 20:42:06.05 ID:fgfGQ0zl0

「乃々ちゃんはなんで、『おかしい』って思うのかな?」

「え…えっと…それは…」

 私が思ってたことをかいつまんで言います。子供っぽくて変だとか、こんな年になっても絵本が好きなのはおかしくないかとか。…プロデューサーさんに変に思われたくなかった、とは言えなかったんですけど。

「変じゃないよ。」

 全てを聞き終えたプロデューサーさんは、まっすぐ私を見て言ってくれました。私はいつもの癖で目をそらしてしまいます。それでもプロデューサーさんは、私にまっすぐ言葉を言ってくれます。

「僕は、創作とかてんでダメでね。何かを創って、生み出せる人を羨ましく思っているんだ。当然、乃々ちゃんも。」

「羨ましい…。」

「羨ましい。人って、自分が持ってない何かを持つ人に憧れるもので…乃々ちゃんがおかしいって思ってるそれは、僕からしたら尊敬の対象なんだ。」

 プロデューサーさんは、私のことと、まだ中身も見せていない絵本のことを絶賛しています。どうしてでしょうか、嬉しすぎます。

「だから…変とか、おかしいとか、そういうことを、僕は乃々ちゃん自身に言ってほしくないな。僕は、子供っぽいとか、変とか思わないよ。すごいとは思うけどね。」

 私のこれまでの心配事が、嘘のように一気に解消されました。いや、ただ解消されただけじゃなく、私のことと絵本のことも一緒に褒めてもらえて。

「卑下なんかすることな…」

「ひぐっ…ひぐっ…。」

 私は泣いてしまいました。




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