99:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 15:49:12.71 ID:wAEe1nHVO
「もし、梨子ちゃんが言ってるみたいに、曜ちゃんが寂しい思いしてるなら、やっぱり……私、素敵な歌詞を作らないとね! ありがとう! 梨子ちゃん! 私、バカで考え無しだから……それで全部許されるって思ってないけど、ちゃんと受け止めるから」
千歌ちゃんが、私の体を抱きしめる。
周りにいる人達に負けないくらい、彼女は優しく私を愛してくれていて。
「やっぱり、梨子ちゃんってちょっと世話焼きな所あるよね。でもね、そんな所が、私、好きなんだあ〜」
私は、また泣きそうになっていた。
同じ場所で、今度は千歌ちゃんの言葉で、心が締め付けられる。
私には届かない、曜ちゃんとの繋がりを持つ千歌ちゃんがキライ。
曜ちゃんの気持ちに気付かない千歌ちゃんがキライ。
私なんかを好きになる千歌ちゃんがキライ。
千歌ちゃんの気持ちに応えられない自分が、本当に、本当に、イヤ。
弱くなる心と汚く心を、全部、曜ちゃんのせいだと言ってしまいたい。
「千歌ちゃんは、すぐそうやって愛を振りまくんだから」
「そっかなー、へへ」
「……ありがとう、千歌ちゃん」
私は下手くそに笑いかけた。
「梨子ちゃん、あの……」
「どうしたの?」
「キ、キス……したい」
「え、えっと」
周囲のカップル達は、いつの間にか遠ざかっていた。
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