98:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 15:21:49.86 ID:wAEe1nHVO
そんな面倒でしかない感情を抱えているの?
やだな。自分に向けられるのは嫌だ。
意識したとたん、妙に動きが取りづらくなるから。
打ち明けるってそういうこと。でも、伝えないと分からない事、分かって欲しい事あるよね。
私は、曜ちゃんについて千歌ちゃんにも知っておいて欲しいことがあって、潮風を体全身で感じる千歌ちゃんを見た。
「千歌ちゃん、曜ちゃんね、千歌ちゃんいなくて寂しいと思うの」
「え、そんなことないよ。曜ちゃん、友だち多いし」
そんなことない、あなたは分かっていない。
千歌ちゃんは特に気にした風もなく、パンフレットを広げていた。
「千歌ちゃんは、曜ちゃんと会う時間が減って何も感じないの?」
「どうしたの、もしかして曜ちゃん何か言ってた?」
「ううん。違う、普通のことよ。千歌ちゃん、曜ちゃんに興味無さすぎるんじゃないかってこと」
「……えっと」
千歌ちゃんがキョトンと私を見る。
「興味、ないとかではないのですが……」
私の様子が少し違ったのを感じたのか、パンフレットを閉じた。
今の言葉をなんとか理解しようとしているのか、ゆっくりと続ける。
「曜ちゃんは、いつもそばにいてくれるから、私、その、時間とか気にしたことなくて……」
「いつでも会えるから、その人がいつも同じ気持ちだなんて……ありえない」
私、どうして千歌ちゃんにきつく当たってるの。
「な、なんかごめんね」
「あ……ううん」
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