9:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 23:19:19.63 ID:tRZUKNjf0
その一連の謎の儀式から解放された頃に、梨子ちゃんが教室に戻って来た。
「曜ちゃん……何してるの?」
「ふえ……た、助けて」
「人聞きが悪いぞ、渡辺氏」
「そうだそうだ」
口々に、そう言われた。
私は梨子ちゃんの方へよろよろと近寄る。
梨子ちゃんは、ぐしゃぐしゃの頭を梳いてくれた。
「千歌ちゃん、ちょっと吐き気もあるみたい」
「え、そうなの? 大丈夫かな……」
そっか、間違って飲んだとは言え、大量に飲んでたからな。
どうしよう、私、やっぱり行った方がいいかな。
千歌ちゃん、寂しい想いしてないかな。
どうして、曜ちゃん付き添ってくれないのとか、思ってないかな。
ちょっと笑わせてあげるくらいが良かったかな。
「曜ちゃん?」
「え」
「千歌ちゃん、心配?」
「あ、いや、千歌ちゃんってほんとおっちょこちょいだよねって思って」
「そうね……曜ちゃんの方が付き合い長いから、こういう時、どうしたらいいのか分かる、よね? それで、今もやもやしたんじゃない?」
梨子ちゃんに言われて、私ははっとした。
「どうして、分かったの」
と、口に出てしまうくらいには、素直に梨子ちゃんに感心してしまった。
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