10:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 23:29:13.68 ID:tRZUKNjf0
そして、それを聞いた梨子ちゃんは、意外にも笑っていた。
「や、やだ……曜ちゃん、顔にもすぐ出るのに……言葉にもすぐ出ちゃったら……隠し事できないよ?」
「え、わ、わ、わ」
私は手で口を塞いだ。
「もお、遅いです」
急に自分が裸になったみたいに恥ずかしくなった。
上目遣いで、梨子ちゃんを見る。
「……曜ちゃん、可愛い」
「からかわないで……」
梨子ちゃんがちょっと意地悪だ。
よく気が付くから、困る。
「ね、私、曜ちゃんのことよく見てるでしょ」
よく分からない自慢をされた。
「そうだね」
ふと、私は梨子ちゃんのことをちゃんと見ていただろうかと思った。
千歌ちゃんのことは、気にしようと思って気にしたことはない。
だって、昔から一緒だったから、どちらも分かっていることばかりで、今さら話すこともない。
まあ、それがややこしく考えてしまう原因なんだけど。
でも、梨子ちゃんは違う。梨子ちゃんのことは何も知らないわけじゃないけど、私は千歌ちゃん程、ちゃんと興味を持って梨子ちゃんを見ていただろうか。
大好きな千歌ちゃんが好きになった梨子ちゃんのこと。二人が付き合うってなって、私は初めて、梨子ちゃんをちゃんと見た。
「どうしたの? 曜ちゃん」
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