62:名無しNIPPER[saga]
2017/05/29(月) 18:19:07.55 ID:5UmJj5jy0
ああ、でも一番恐ろしいのは自分だ。
梨子ちゃんが、千歌ちゃんに全く好意を寄せてないことが、嬉しくてたまらないんだから。
千歌ちゃんが、一ヶ月経って、梨子ちゃんと別れてしまえば、彼女の事を慰めることができる。
私はそれを自然に行える立場にある。
嫌になる。口ではどうとでも言えるから。
「千歌ちゃんの気持ちはどうなるのさ。私、千歌ちゃんを哀しませるようなことしたくない」
「私だって、そうよ……だから、さりげない行動で千歌ちゃんの気持ちを自然に遠ざけたいの」
「梨子ちゃん、自分で何言ってるか分かってる? 最低な事言ってるよ」
「知ってるわ」
「そう。悪いけど、協力はできない。一ヶ月、梨子ちゃんが頑張ってもらうしかないね」
私は立ち上がって、ゴミ箱にソフトクリームの包みを投げ入れた。
「帰ろうか」
背後で、梨子ちゃんも立ち上がる。
「待って、それで、もし私たちが付き合うことになっても、曜ちゃんはいいの?」
「何の事? 私の許可なんていらないじゃんか」
歩みを止めずに、バスの停留所へ向かう。
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