131:名無しNIPPER[saga]
2017/06/05(月) 00:09:39.11 ID:6ARxF7nsO
私は、伝えた。
言葉は自然と溢れた。
伝えないといけなかったんだ。もっと早くに。
臆病風に吹かれていた。でも、今、漸く答えを出せた。
どうしようもない未来かもしれない。
でも、漸く自分の気持ちに素直になれた。
だから、私がこの未来を愛してあげないといけないんだ。
「梨子ちゃんさ」
「うん」
「曜ちゃんが好きなんでしょ」
千歌ちゃんが言った。
「知ってたの?」
私は驚いてしまった。
「ううん。あの事件の時に、梨子ちゃん、最後に言ってたよね」
「でも、あれ声になってなかったと思うのに」
すぐ目の前にいた曜ちゃんでさえ、分かっていなかった。
「分かるよ。だってさ」
千歌ちゃんは涙をこらえて、笑って、
「私が一番欲しかった言葉だもん、分かるよぉ」
そう言ったのだった。
148Res/108.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20