118:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 20:00:02.28 ID:wAEe1nHVO
私たちは待った。何も起こらない事を祈りながら。
待つこと30分。期待外れの物音が、物置から聞こえてきた。
鍵がカチャンと開いた。
私は、すぐに千歌ちゃんにラインを送った。
扉の隙間から、覚悟して、出て来た人物を確認した。
半裸の曜ちゃんが頭から血を流して、よろよろと歩いていた。
そして、その隣に後輩らしき少女。
それを見て、私は怒りで頭が真っ白になった。
「曜ちゃん!!」
扉を蹴り開け、その少女に掴みかかった。
『梨子ちゃん!?』
階下からは千歌ちゃんの声が聞こえた。
私は無言で後輩に馬乗りになった。
彼女が果物ナイフみたいな小さな刃物を持っていることに気付かなかった。
「いっ!?」
ナイフが、腹部に突き刺さった。
「あぁっ……っ?!」
「り、りこちゃ……」
曜ちゃんが、壁に背中をつけながら崩れ落ちていく。
私はお腹から突き出ているナイフに触れた。
手がねっとりと湿った。あまりの痛みで声も出ずに、うずくまった。視界がチカチカと明滅するような錯覚。
148Res/108.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20