50:名無しNIPPER
2017/05/22(月) 22:57:17.42 ID:6igKFdgB0
ユニットとしてのデビュー曲は、春の木漏れ陽のような、穏やかで優しい曲調でした。
ダンスも歌に合わせゆったりしていて、そこまで難しいものではありません。
薫ちゃんも桃華ちゃんは、歌詞と踊りは一通り覚えてくれました。
51:名無しNIPPER
2017/05/22(月) 23:09:29.89 ID:6igKFdgB0
私は頼るように桃華ちゃんを見ました。
年齢の近い彼女だったら、薫ちゃんを説得できるかもしれない、と。
ですが桃華ちゃんは「Pちゃまがそうおっしゃっているなら…」、と薫ちゃんの肩を持ちました。
52:名無しNIPPER
2017/05/22(月) 23:13:15.63 ID:6igKFdgB0
生意気と思いましたが、桃華ちゃんの意見は正論でした。
芸能界はともかく、アイドルとしての経験は3人とも同じです。
そして、2人は私の子役時代を知りません。
53:名無しNIPPER[sage]
2017/05/22(月) 23:31:16.14 ID:XBl7JXvGO
この三人でシリアスな流れは貴重だ
54:名無しNIPPER
2017/05/22(月) 23:47:11.48 ID:6igKFdgB0
プロデューサーが神様。
桜色のドレスを着たミニチュアをつつきながら、私は考えました。
Pさんのプロデュースの能力は文句のつけようがない。
55:名無しNIPPER
2017/05/23(火) 00:00:51.27 ID:3yW0eUUc0
翌日のレッスンも、気まずい空気のまま進みました。
目立ったミスこそないものの、ユニットとしては最悪の状況です。
私はいたたまれない気持ちになって、休憩時間にPさんにメールを送りました。
56:名無しNIPPER
2017/05/23(火) 00:31:21.01 ID:3yW0eUUc0
Pさんが来ると、威勢良くレッスンしていた2人が固まりました。
明らかに怯えている。その姿は父親に叱れらるのを怖がる、9歳と12歳の少女のように見えました。。
アイドルではなく、本当に。
57:名無しNIPPER
2017/05/23(火) 00:41:03.77 ID:3yW0eUUc0
「“岡崎の言うことをよく聞いて、レッスンをがんばるんだぞ”。俺はそう言ったよな」
薫ちゃんは、ゆっくり頷きました。
「それと、“せんせぇに嘘はつかない”って薫は言ってくれたよな」
58:名無しNIPPER
2017/05/23(火) 00:46:27.38 ID:3yW0eUUc0
出口の直前で、Pさんは振り返りました。
「桃華、“期待してる”よ」
その言葉を聞くと、桃華ちゃんはさあっと青ざめました。
59:名無しNIPPER
2017/05/23(火) 01:00:54.81 ID:3yW0eUUc0
Pさんがいなくなった後、私は桃華ちゃんに尋ねました。
「Pさんがこわい?」
「いいえ」
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