ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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129:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 15:34:42.16 ID:cQX9e7Qho


六月某日、日本では未明に、それは全世界、同時多発的に発生し、進行した。


起きるべくしてそれは起き、また起こさせてから止める以外に術がない。
数多のウェブサイト上に、統合思念体のインターフェースの防衛網をかいくぐって、
天蓋領域のTFEIが起動データをアップした。

このデータの存在するサイトの特定と、データの破棄が実行されない限り、
事態に歯止めがかかることはない。
しかし、当然容易に検索の網に引っ掛かるような痕跡は残されておらず、
作業に当たった統合思念体のインターフェースですら、それは容易ではなかったようだ。

閲覧した人間の脳へ、あらかじめネット上に仕込まれ一斉に起動した情報生命体が感染し、
犠牲者を異空間へ飛ばしてしまう。
一さんがそれを捕捉し、その空間を閉鎖空間に変換し、わたし達に明瞭に感知させる。

そうなれば、閉鎖空間内の敵を機関の能力者が撃破し、
意識を失った人々がそれぞれパソコンの前で、
「あれ、寝てたのか」と目覚めるように無事に帰してあげてその件はとりあえず解決だ。

もちろん、感染源となったウェブページ上のデータは破棄し、
多少周囲の人間を含めた記憶の方も操作済みの上でのことである。



この地球上の爆発的感染を前に、当初はどうしても後手に回らなければならず、
抜本的な解決策は即時には編み出されなかった。
長門さんなら、もしかしたらそれが出来たのかもしれない。

『機関』としても、彼女にはできればその任に当たってほしかったが、
長門さんは七重の両親の護衛に集中する、の一点張りだった。
情報統合思念体も、そして当のおじさんとおばさんですらも、
その意志は覆せなかったというから頑固な方である。


ともあれ、それはTFEI側の役目であり、お任せするより他ない。
そして、わたし達の戦場は閉鎖空間の中だった。


森「何と言うかこれは……。さながら地獄絵図ね」


数多くの人間の、それぞれの畏怖の対象が具現化したもの。
それらが閉鎖空間内を所狭しとと湧いて出ているものだから、
そう表現するのが妥当かもしれない。

しかし、確かに単体では恐いイメージを抱かせるが、
こうして勢揃いとなるとかえって滑稽な感じすらする。


森「眺めてる場合じゃないわね。さあ、行きましょう」




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