ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/06/02(金) 22:08:13.69 ID:dNmk+/4bo
そのカンは当たりで、先輩は面倒見が良く、わたしの訓練にその日からつきあってくれた。
球体化した先輩の動きを真似するだけでずいぶんと勉強になる。
何よりも、あの柊さんとパートナーを組み、
しかも前衛を務めた人に教えてもらえるのはまたとない幸運だった。
というのも、わたしも実戦では一番槍の役に当たることになっていたから。
しかし、それは実力によるものではなく、
ビジネス街での一件以来やっと使えるようになった能力の特殊性を買われてのことだった。
と言うわけで、特殊性その一。
わたしも球体化できるようになったのだが、紅玉ではなく白玉である。
はっきり言って、紅玉が群れて飛びまわる中の白一点は目立つ。
わたしばかりが情報生命体達の攻撃の的にされる。
逆に言えば、うまく動けば相手の注意を引きつけかく乱する役割を果たすことができる。
特殊性その二。
機関の能力者の主な攻撃方法は、紅玉して体当たりすることで、
敵に物理的にダメージを与える。
しかし、白玉化したわたしに攻撃してきた情報生命体達は触れるそばから消滅してしまう。
おかげで無謀に突っ込んでいってもケガをせずに済むし、
確実に敵の出鼻をくじくことができる。
それでも、大丈夫とは分かっていても敵陣の中を単独で飛び回るのは怖い。
そう先輩に伝えたら、笑って、
「あんた本当に面白い能力が使えるのね!
まるでアクションゲームの無敵アイテム取ったときみたいじゃない!」
と言い、わたしが止める間もなく白玉化したわたしに、興味津々な目で触ってきた。
……特殊性その三。
機関の能力者が触れても、消えることはない、ということが分かった。
それどころか、
「……これはケガした人の、傷を治す力があるわね。あたしは今は自分で修復できるけど。 ほんっとに面白いわね、これ」
とのことらしい。なんというご都合主義な力だろうか。
ともかく最前衛という、実力に見合わないポジションをいただいたわたしだが、
奇しくもそのお手本と言うべき人に、いかに動くべきか、
みっちり叩き込まれる機会を得ることができたのだった。
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