ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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113:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 19:20:11.08 ID:LYacroRjo



一「フォークいるか?」


無機質な感じの天井がある。

静かにだけど手早く、ナシかリンゴをむく音。あ、ナシは季節じゃないし、リンゴだな。

寝たまま、頭だけ声のした方へ動かすと、どうやらここは病院の個室のようだ。
ロビーチェアのように座面の硬そうなイスに腰かけ何でもないといった様子で、
一さんが小さなナイフでむいている。

その向かいに、テーブルを挟んで二人掛けのイスに七重が横になっているのが見える。
薄手の膝掛けのような毛布をかけられて、小さな寝息を立てている。

サキ「ナナは……」

一「見ての通り無事。ケガしてた『機関』の人も無事。君を含めて全員無事」

と答えて、

一「だから、俺との話が済んだら真先に親父さんに電話するんだな」


無事だと分かった後はぼんやりと聞きながら、上半身を起こし自分の手を見る。
ジョンのリードを握ったその日に、野犬の頭にガレキを叩きつけた。

情報生命体達の中には、最初に見たあの女のように、人の姿をしたものもあるのだろう。
それをわたしはきっと殺す。本物でなくとも何者かの命を奪う。


気がつくと一さんがそばに立っていた。
皿にリンゴを切り分けたのをよそい、ここまで来てくれたらしい。

一「娘が突然道端で倒れて病院に担ぎ込まれたことになってるから」

リンゴを乗せた皿をわたしに持たせて、薄い肌がけの、
わたしの脚の上あたりにぽんと何かを置くと、近くの棚の戸を開けた。



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