('A`)はベルリンの雨に打たれるようです
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446: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/29(木) 03:10:24.30 ID:8fhCldZ+0





(メメ A )

傷だらけで倒れる一人の男。その傍に【少女】は立っていた。

身長は、130cmあるかどうかといったところ。極東の島国をどことなく想起させる、古めかしい衣服────人類間では“着物”と呼ばれる服に身を包む。【少女】の同族達に共通する、人工的な艶やかさを持つ頭髪を右側に垂らし、錨を連想させる髪留めでまとめている。

全体的に黒を基調とした衣服故に、彼女のとびきり白い肌と、着物の所々を纏める白い襷がよく映えた。

『…………』

【少女】は、眠り続ける男の顔を、どこか楽しそうに覗き込む。つんつんと指先で突いたり、頭髪を手で梳いてみたり、力なく伸ばされる腕に組み付いてみたり。

そんな、眠る恋人を眺める女子のような他愛のない動作を、降りしきる雨を気にとめる様子も無いまま続ける。

『………♪』

一通りそれらの動きを堪能した後、【少女】はゆっくりと名残惜しそうに立ち上がった。

その場を立ち去ろうとした【少女】は、はたと何かに気づいて踵を返す。男の耳元まで唇を近づけ、彼女は小さな声でささやく。

次ハ、私トモ。

ふわりと袴の裾を翻し、【少女】は雨の中を今度こそ男の傍から立ち去っていく。

(メメ A )

後には、雨に打たれる一人の男と、うなじに深深とナイフが突き刺さった一つの屍体。


そして、頭部を吹き飛ばされた二つの屍体が転がっていた。


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