445: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/29(木) 02:27:01.67 ID:8fhCldZ+0
………しばらく奇襲を警戒して身構えるが、10秒、20秒と時間が過ぎても何も起こらない。
息が詰まるような、何時間にも感じられる数十秒が過ぎ去った。
「────Bismarck zweiより支援艦隊各位に通達。敵新型艦の離脱を確認。状況を一時終了せよ」
《《《Jawohl!!》》》
「────ぷはっ」
お姉様のその声を聞いて私は、ようやく肩の力を抜くことができた。…………肩だけじゃなくて腰まで抜けてしまい、泥濘の地面にお尻をビタンと着いてしまったのはご愛敬ということにしておきたい。
「Prinz? ちょっとばかりそれはドイツの“れでぃ”として端なさ過ぎるんじゃないかしら?」
「あ、あはは………」
お姉様に窘められて、照れ隠しに頬を掻きながらもう一度立ち上がる。
「すみませんお姉様、思わず安心してしまって」
「……ま、その点は無理もないわ。私もアイツの強さには驚かされたもの」
視線の先は、煙の向こうに…………【彼女 】が消えた先に向けられる。
お姉様の表情からは既に安堵が消えていた。
「アイツとは間違いなくまた戦うことになるわ………次は負けないわよ。何てたって、この私だもの!」
「………はい!」
自信に満ちあふれたその言葉に「いつも通り」の雰囲気を感じ取り頷きつつも、私の脳裏にはふと、別の疑問が張り付いた。
<ええそうでしょ?きっと貴女も気づいている。
そうよ、私達ははぐれ者。だけどそんなものは関係ない>
お姉様が【彼女】と砲火を本格的に交える前に叫んだ、あの言葉。
<私がどんな存在であろうとも、私がナチス・ドイツ海軍ビスマルク級1番艦、Bismarckであるという事実は変わらない。
この地がドイツであるという事実は変わらない。私が守るべき国であるという事実は変わらない!!>
あれはいったい、どういう意味だったのだろう……?
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