44: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/09(火) 13:43:51.52 ID:B042YGid0
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中佐の指示より10秒早く着替えを終えて、テントから飛び出す。隣の更衣スペースからツンが転がり出てきたのもほとんど同時だった。
('A`)「女の身支度は長くかかると聞いてたがな!」
ξ゚听)ξ「知らなかった?フランスのレディは余裕の笑みで男を待ってやるもんなのよ!」
相変わらずざざ降りの雨の中で軽口を交わしながらG36Cの安全装置を外す。自身の装備を簡単に確認した後、今一度周囲の地形を頭に叩き込むために辺りを見回した。
深海棲艦機が来るまであとたったの300秒。できることは限られているが、それでもやれるだけのことはやっておきたい。
相変わらずサイレンは鳴り続け、あえて人の不安を煽るよう作られた警戒音に急かされ避難民達が我先にと道路を駆けていく。兵士と警官が、ともすれば大氾濫を起こしかねない人間の濁流をぎりぎりのところで制御し、更に東へと送り出していく。
('A`)(……あと五分でこの人数が避難しきるのは間違いなく無理だな)
この密集状態に深海棲艦の空爆が直撃すれば大惨事もいいところだ。かといって、避難民の「自主性」に任せて分散避難をさせても間違いなくパニックが起きる。それに、部隊運用にも大きな制約がかかりかねない。
つまり間もなく行われる深海棲艦の爆撃から避難民達を護るには、攻撃を此方に可能な限り引きつけ、かつそもそも爆撃自体を抑制する必要があると言うことだ。
(;'A`)「やっぱ無理ゲーじゃねえか………!」
一週間も素敵な休暇を下さった、上層部のおかげでこのざまだ。
いつか、感謝と殺意と火薬が籠もった御礼を贈ると胸の内で誓う。
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