('A`)はベルリンの雨に打たれるようです
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399: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/24(土) 00:26:41.54 ID:W1r6lzRK0
「………Bismarck zweiより包囲網各艦並びに護衛部隊、其方は異常ないかしら?」

《Z1-23、状況クリア!敵影ありません!》

《Z3-04、周辺に異常なし》

《Z3-08同じく》

《Z1-02、何もないよ》

《こちらZ3-11、穏やかなものだわ。

………不謹慎だったかしら》

お姉様が、レーベ達に連絡を取る。時間にして中佐達とのやりとりも含めてせいぜい2、3分しか経過していないはずだけど、しかし私にはその時間が何十倍も長く感じられた。

右翼と中央から聞こえてくる砲声や銃声、頭上を飛び交う戦闘機のエンジン音が市街地に木霊する中で、この辺りだけ奇妙な沈黙に包まれる。

「────!」

…………それまで何かに纏わり付いているかのような不自然な動きで一定の位置に渦巻いていた黒煙が、ブワリと揺れる。

「お姉s」

全て言い切る前に、私の視界は大きく開かれた口とその中に並ぶぎらぎらした鋭い歯に埋め尽くされた。

「─────Prinz, 下がりなさい!」

「きゃあっ!?」

『─────ア゛ア゛ッ!!』

ぐいっと首筋を猫のように引っ張られ、(また)情けない悲鳴を上げながら仰向けに地面に倒れて尻餅をつく。さっきまで私の顔があった位置で、巨大な顎がガチリと空を噛んだ。

「ふっ!!」

『ゴォアッ!?』

顎………いや、煙の中から伸ばされた尻尾の先を、お姉様は力一杯フックの要領で殴りつける。艤装の一部が鈍い音を立てて砕け、尻尾は呻き声を上げた後凄いスピードで再び煙の中に引っ込む。

─────だけど、今度はこれで終わらなかった。


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