397: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/24(土) 00:05:06.82 ID:W1r6lzRK0
《よし、現地に到着!
お嬢さん方、武運長久をお祈りするよ!》
《ニ号車、十号車、移送任務完了につき後退します!頼むよ艦娘さん、あいつら化け物をやっつけてくれ!!》
「ええ、任せてちょうだい!きっとこの国を、貴方たちの街を守ってみせるわ!
─────さて、と」
私達を“尻尾”が引っ込んでいった区画から直線距離200M程度の位置まで運んだ二台のパトカーは、屋根から降りた私達に激励の言葉を残してUターンする。
お姉様はサムズアップと満面の笑みでその声援に応えた後、一転して厳しい表情で正面───さっき、“尻尾”が引っ込んでいった辺りを睨んだ。
「Bismarck zwei、敵新型の正面───と、思われる場所に到着したわ。黒煙の噴出が未だに激しくて艦影を視認できない」
( ゚д゚メ)《ミルナ=コンツィよりBismarck zwei、負傷者や生存者は近くに残っているか?》
「……。
いいえ、見当たらないわ」
( ゚д゚メ)《確認感謝だ。
…………すまんが、“奴”に対して俺達陸軍ができることはない。お前達に全て任せる》
「あら、誰に物を言ってるのよ。このBismarck zweiに何もかも任せなさい!」
( ゚д゚メ)《俺達はこのまま右翼のパンコウ区に戦闘可能な部隊で転進、防衛線に参加する。
………艦娘部隊の、武運を祈る!》
………無線越しでも解るほどとても悔しそうなミルナ中尉の声だったけれど、判断はとても冷静で的確だ。
中央の増援に向かったレーベみたいに砲火力がそこまで高くない駆逐艦ならともかく、私やビスマルクお姉様のように重巡以上の等級になると主砲火力が高い故に友軍を巻き込む危険性が跳ね上がる。広く間隔が取れる海上ならいざ知らず、市街戦で陸軍と共闘する場合、敵の配置や攻勢によっては通常兵器の支援部隊の存在は寧ろありがた迷惑になることも多い。
だから、中尉が後退した部隊をそのままパンコウ区に転用してくれることはとてもありがたい。
ましてや、今回は相手が相手だ。
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