396: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/24(土) 00:00:13.24 ID:W1r6lzRK0
《《Z1, Feuer!!》》
《《《Z3, Feuer!!》》》
ミルナ=コンツィ中尉をしつこく追い回していたであろう“尻尾”が、12.7cm連装砲の弾丸で動きを止める。
障壁の上で弾けた爆炎は、決して大きな物ではない。だけど“尻尾”の主にも、今の砲撃が私達艦娘によるものだと十分に理解できたのだろう。混乱というほどのものでもないけれど、訝しむようにぐるりと────“5箇所から飛来した”砲撃の出所を確かめようとしたのか艤装をもたげて辺りを見回す。
『…………!』
そこに、肉薄するのは、二台のパトカー。
ただし屋根の上に、私とビスマルクお姉様を乗せてだ。
「Prinz、続けて撃ちなさい!!
Feuer!!」
「了解ですお姉様!
Feuer!!」
猛スピードで“尻尾”に接近していくパトカー。その屋根の上で跪くような姿勢を取り、私はお姉様に続いてSKC20.3cmを撃つ。砲撃の反動で浮き上がりひっくり返りかけた車体を、つま先をめり込ませ両手に全身の力を込めることで抑え付けた。
『ィアアアアアアッ!?』
戦艦と重巡洋艦の主砲、4基8門の一斉射撃。
流石にその威力は絶大で、向こうも効果無しとはいかなかったらしい。先端の艤装から火花をまき散らしながら、“尻尾”が苦悶とも怒りとも着かない声で鳴きながら身を捩らせる。
『ウァア………!』
そのまま“尻尾”は一瞬此方に先端を向けて低いうなり声を上げると、笛で操られる蛇みたいな動きでシュルシュルと立ちこめる煙の中に戻っていった。
496Res/494.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20