395: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/23(金) 23:56:24.18 ID:rsc+wgkx0
────ミルナ=コンツィドイツ陸軍中尉は、怒りを覚えていたが怒り“狂って”はいなかった。彼の脳内に残る冷静な部分は、彼我の戦力差を的確に把握している。
《此方救護班、前衛の負傷者・生存者の回収を完了!》
《ポーランド軍のMi-24、敵艦“本体”の対空射撃によって撃墜されました!》
(メ゚д゚;)「CPにヘリ部隊の突入は今後控えるよう通達しろ!………っくぉ!?」
バイカーギャング仕様のバイクを乗り回して突然こちらに飛び込んできたあの“新型”は、おそらく過去に確認されてきた深海棲艦の中でも格段に高い戦闘能力を誇る。現に単艦である上にこれだけあからさまに“遊んで”いるにもかかわらず、ミルナ達の方面は右翼のパンコウ区よりも遙かに深く押し込まれた。
右翼でも此方の損失は甚大ながら、通常種のリ級2隻に小破の損害まで与えていることを考えればあまりにも状況差がありすぎる。
《中尉!?いったい何があったんですか!?》
( ゚д゚メ)「機銃が掠めただけだ、心配ない!この歳で鬼ごっこなんてやる羽目になるとはな!」
さっきの喩えを繰り返すが、要はあの“新型”は【人間の軍隊】にとってほとんど天災と変わらないとミルナは結論づける。大津波や大嵐に人間が立ち向かったところで、少なくとも“今の科学”では打ち勝つことはできない。できることと言えばせいぜい被害をなるべく受けないよう被災範囲から遠くに逃げることと、後は収まってくれと神に祈ることぐらいだ。
(=#゚ω゚)ノ《CPよりトレプトゥ=ケーペニック区防衛ライン、新型の状況を教えるよぅ!!》
( ゚д゚メ)「防衛ライン前衛よりCP、敵のお嬢さんは俺の抹殺に大層御執心……!」
自身の無力さへの口惜しさこそあれ、ミルナは役目を見失わない。
敵が天災に等しい存在である以上、立ち向かうことは自分たちの領分から外れる。
今の彼に課せられているのは、部隊の被る損害を可能な限り減らし、厄災から逃れ────
(#゚д゚メ)「攻撃を開始するなら、今だ!!」
(=#゚ω゚)ノ《此方CP、状況を確認した!!
全駆逐艦隊に通達、目標敵新型艦!攻撃を開始せよ!!》
────残る全てを、味方の“女神”に託すことだ。
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