393: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/23(金) 23:46:23.97 ID:rsc+wgkx0
( д メ)「ぅぐあっ……………!!?」
背中に感じる、強烈な圧力と熱。衝撃が身体を突き上げ、足が地面から離れて空を掻く。
砲弾の破片や飛び散った瓦礫が背面のあちこちに突き刺さり、皮膚を破り肉を裂く。迸る血液が、吹き飛ばされるミルナの軌道に併せて中空に紅い線を描いた。
(メ д ;)「ガフッ……」
そのまま、砲撃で拉げたレオパルト1の残骸に全身を叩きつけられる。想像を絶する激痛はかえって意識を手放すことを許さず、悲鳴の代わりに口から漏れたのは血の臭いが混じった弱々しい呼気。
それでも、手や足の感触は確かに存在した。痛みがもたらす痙攣のせいで今は自由が利かないが、神経が繋がっている感覚もある。機能を取り戻し始めた耳には、周りで部下達が上げるうめき声も薄らと聞こえてきた。
“艦砲射撃”に巻き込まれたにもかかわらず、大きなダメージは受けたが致命傷を免れ四肢の欠損もない。
それは本来奇跡に近い幸運。
::(メ д #)::「……………ッッ!!!」
だが、ミルナ=コンツィが感じたのは幸運に対する安堵ではなく、脳の奥を焼き焦がすような激しい怒り。
唇が、苦痛を耐えるためではなく悪態が飛び出すのを防ぐために噛みしめられる。
砲弾や爆風より速く走れる人間は存在しない。攻撃が行われたのは頭上5メートルにも満たない至近距離からである点を考えれば、狙いが定まらなかったということも考えづらい。
要は、あの状況からはどれほど自分たちが幸運だったとしても助かる可能性などあり得ない。
向こうが、“故意に爆心地をずらす”ような真似でもしない限り。
(メ д゚#)「く、そっ、がぁっ!」
ミルナ=コンツィは、明確に理解した。
自分たちは、遊ばれている。
人間の子供が面白半分に蟻の巣を踏み散らしているように。
猫がネズミや虫を前足で執拗にいたぶるように。
496Res/494.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20