29: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/08(月) 22:46:07.00 ID:vhkD1UQdO
「おい見ろ!陸軍の援軍だ!!」
「頼むぞ、あいつをやっつけてくれ!!」
広場を後にしてほんの数分。ベルリン大聖堂──“敬虔なる信徒”だった両親のおかげで、俺が唯一明確に認識しているベルリンの建造物──の前に差し掛かった辺りで、プーマ装甲戦闘車三両とすれ違う。
周囲の人々は安堵の息と共に彼らに歓声を送り、程なくして広場から機関砲の軽快な発射音が聞こえてくるとそれは更に大きくなった。
俺とツンを除いての話だが。
ξ゚听)ξ「さ、後は陸軍がきっとなんとかしてくれるわ!私たちは今のうちに逃げましょう!」
('A`)「ここなんてまだまだ奴の射程圏だ、流れ弾が飛んできたら元も子もないぞ!!」
彼らのおかげで恐慌が治まってくれたのは幸いなので、わざわざ事実は告げない。だが、相手は「歩く戦艦」だ。機関砲で障壁を抜ける相手ではない。
副兵装のスパイクLR対戦車ミサイルなら或いはダメージを与えられるかも知れないが、それも「当たれば」。
要は、時間稼ぎが「何分延ばせるか」の問題だ。
ξ゚听)ξ「……それで、どこに誘導する気?」
('A`)「………まずは東だ。あくまでも“見る限り”だが、他に安全な方角はない」
小声で問いかけてきたツンにそう返しながら、俺は改めて辺りを見回した。
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