('A`)はベルリンの雨に打たれるようです
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283: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/31(水) 01:24:02.16 ID:qbOhevfD0
ぐいっと操縦桿を傾け、左旋回。全身にかかるGに歪む視界と軋む骨。

丹田に力を込めてこれらに耐え、再び深海棲艦機の大群体を視界におさめる。

立て続けに16発ものミサイルを叩き込まれれば相当な撃墜機が出たはずだが、群体は未だに発達した雷雲のように巨大だ。

元々攻撃を依頼した例のドイツ陸軍の大佐によれば、予測される編隊規模は日本で観測された過去最大のもの───2000機規模に匹敵するだろうとの話だった。だが、この様子を見るにおそらく記録は無事更新された。

(‘ L’)《3000……いや、それ以上いるか》

しかも、司令部曰く後続もまだまだ控えているのだという。尋常じゃない物量に、思わずフィレンクトはコックピットで舌を巻く。

(;‘ L’)《本当に……とんでもない奴らとの戦争になったものだ!!》

発射ボタンを押す。AIM-120空対空ミサイルが雨空を駆け抜け、眼前に広がる“漆黒”に直撃。オレンジ色の炎が、獣の身体から流れ出る血のように群体から突き出し空を焦がした。

(‘ L’)《HQ、地上部隊の現状を教えてくれ!!》

《HQよりCzarny-01、“騎兵隊”はベルリン市に随時突入中。まぁ電波妨害のせいで通信も続々途絶えてはいるが、レヒフェルトからの報告が正しければ問題なく在ベルリンドイツ軍並びにアメリカ海兵隊と合流しているはずだ》

(‘ L’)《それを聞いて安心したよ!!》

市内に展開しているドイツ陸軍の戦力の内、組織的な抵抗力を保持しているとされるのは凡そ2000程度。軍と連動して動いているベルリン市警や機動隊を数に入れても一個旅団を少し越えた程度の兵力にしかならない。加えて寄せられた情報によれば、機甲戦力は骨董品の第ニ世代戦車に雀の涙の装甲車だ。

艦娘が合流しているそうだが、戦艦、空母、重巡が各一隻ずつで残りは駆逐艦だという。

数も質も大きく上回り、しかもなお増え続けている深海棲艦を相手取れるような戦力ではない。というか、これでポーランド軍到着まで持ちこたえた時点でおそらくベルリンの防衛指揮官はとびきりの変態だとフィレンクト達は結論づけた。


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