('A`)はベルリンの雨に打たれるようです
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272: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/30(火) 00:30:59.75 ID:oJKoS9010
遠くから微かに、無線からははっきりと聞こえてくるアサルトライフルの射撃音。そしてそれらを掻き消すような、敵機の飛翔音と機銃掃射の弾着音。

《2名負傷、2名負傷!!》

《エノクが一台破壊されたぞ!!》

《第三班交戦開始……ぐぁっ!?》

《1名やられた!!》

《負傷者を物陰に運べ!!》

深海棲艦機の撃墜を示す爆発の音は疎らで、代わりに無線を通して伝わるのは呻き声、悲鳴、鉄の弾丸が肉を引き裂く音。

容易く想像できる“向こう側”の惨状。だが、それらが頭に浮かぶ間すらなく。

(#//‰ ゚)「Enemy incoming!!」

('A`#)「Allemann flakfeuer!」

敵機が、襲いかかってきた。

「Keep fire───ups……」

「伍長が撃たれました!!」

「手を止めるな!止めるな!!」

「足が!俺の足がぁ!!」

初回の襲撃時と先程の被害ありきの威力偵察のように、“七面鳥”として正面から射線に飛び込んできてくれた敵機とはワケが違う。

街並みを掠めるように600km/hで飛び去りながら行われる超低空からの対地掃射は、さながら鉄の暴風だった。

次々と撃ち倒されていく味方に対し、此方の弾幕は空を切っていく。頼みの綱だったエノクは、接敵から5秒で二台とも射手を撃たれて沈黙する。

('A`;)「……クソッ!!」

撃墜できる敵機はほとんどない。せいぜい片手で足りる程度。速度を重視してか爆装機が見られない以上、正直隠れてやり過ごした方がよほど此方の損害は少ない。

それでも、無傷で通過させるわけには行かない。同様の軌道で本隊にも突入されれば、今度は艦娘にも被害が出るかも知れない。

時間にして、20秒に満たない襲撃。

(;'A`)「被害報告!!」

「負傷者搬送手配急げ!」

その20秒で、辺りには血の臭いが充満した。


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