269: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/30(火) 00:25:29.98 ID:oJKoS9010
無線で後衛に指示を出しつつ、俺はちらりと西の空を見上げた。
('A`)(……やっぱりな)
脳裏を過ぎった違和感は気のせいではない。
軽巡棲姫は、状況打開のために次の手を打ってくる。
(//‰ ゚)「ドク、各隊は戦力の再編を終えてるぞ!」
サイ大尉が俺の元へ駆け寄ってきて声を荒げた。部隊の損害が軽微であるにも関わらず攻勢が止まったことに、疑問と軽い焦燥を感じているらしい。
(//‰ ゚)「とっとと強襲打撃部隊と連携して敵主力艦隊の元まで浸透を開始すべきだ!時間は奴らの利益にしかならない、それに艦砲射撃を一方的に食らうことになるぞ!!」
( <●><●>)「その艦砲射撃が、止んでいます」
(//‰ ゚)「………あ?」
ティーマスの指摘に、サイ大尉は一瞬呆けた表情を浮かべた後ハッとして空を見上げた。
完全に止んだわけではないが、ティーマスの言うとおり深海棲艦の砲撃は先程までに比べて極めて散発的なものに変わっている。着弾地点も分散しており、明らかに此方を撃破する意図が見られない。
( <●><●>)「シュプレー川以東の、本隊への砲火が再度増えた様子もありません。先程の強襲打撃部隊の突入時から混乱が尾を引いているという説も時間が経ちすぎていて考えづらい。
深海棲艦側の動きが不自然なのは解ってます」
優秀な相棒のおかげで、説明の手間が省けた。………ティーマスに少尉の地位譲って俺二等兵になっちゃダメかな、一先ずこの修羅場を生き延びたら上層部に提案してみよう。
( <●><●>)「………少尉、貴方がとても下らないことを考えているのは解ってます」
('A`)「ソ、ソンナコトナイヨー」
ホントに出来た部下兼昔馴染みで涙を禁じ得ない。
ともあれ、ティーマスが今説明したとおり、深海棲艦側が「何か」を考えているのは間違いないだろう。
《────Prinz Eugenよりマントイフェル少尉に通達!!》
当然奴らが、性悪の軽巡棲姫が考える「何か」が俺たちにとって愉快な内容であるはずがない。
《前線部隊展開ライン正面、5kmの地点で“道路の隆起”を複数確認!!時速30km程度で其方に向かっています!》
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