227: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/21(日) 14:16:54.99 ID:Ffb9jAHh0
「ねえ、貴女は何のために戦っているの?」
「…………へ?」
避難民の警護役として駆逐艦の子たちと一緒に配置についていた私に、その問いは唐突に投げかけられた。
私の目の前には女の子が二人、東へ流れていく人混みから一歩外れた位置で立っている。
一人は見覚えがある。確かビスマルクお姉様と一緒に戦車に乗っていた子だ。お姉様はエミと呼んでいたかな?
エミは赤みがかった二の腕辺りまで伸びる髪をツインテールにまとめ、勝ち気そうなブラウン色の眼を僅かに細めて私を見つめてくる。顔立ちは少し幼い感じがして、なんとなく以前出会った日本の駆逐艦娘たちと似通った雰囲気がある。もしかしたら東洋人の血が混じっているのかも知れない。
从;゚∀从
隣に立っているもう一人の子は、髪型が真っ先に眼を引いた。美しい金色の髪を左側だけ極端に伸ばして、顔の半分を覆い隠している。肌は健康的に日に焼けていて、少しボーイッシュな印象だ。
そして……何というか、うん。首から下の“凹凸”がとてつもない。
多分、エミの発育だって彼女たちの世代にしてはいい方だと思う。ただ、彼女が隣に並んでしまうとまるで大人と子供のよう。
二人とも、世事に疎い私でも名前を知っている戦車道の強豪学園艦の制服に身を包んでいる。おそらく学友なのだろう。
496Res/494.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20