199: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/18(木) 18:37:59.36 ID:qcFlP+vx0
(=゚ω゚)ノ「我々ドイツ国民にとって、首相だけでも生き延びて下さっていたのは奇跡に近い幸運なのですよぅ。
貴女に課せられた義務は現場で兵士達と命運を共にすることじゃない、崩壊した国を立て直し、惨事から生き延びた国民を導くことですよぅ。
この場は我々に任せて、一刻も早く避難して下さいよぅ」
/ ゚、。 /「………幸運、か」
イヨウ中佐の言葉に、首相は苦笑いを浮かべて俯く。
虚ろな、何も見ていない、外の避難者達と同じ瞳をしていた。
/ ゚、。 /「確かに、私は幸運だな。他の多くの者達の不幸と引き替えに、私は生き延びた」
ダイオード首相は、虚ろな眼を司令テントの出入り口に向ける。外から聞こえてくる、何千という避難民たちの足音に被せるように、彼女は言葉を吐き出す。
/ ゚、。 /「共に国政に携わっていた議員達も、私の周りを固めていたSP達も、皆死んだ。国民の命も、数え切れぬほど失われた。大統領閣下も安否不明だ。
海の底の化け物共に私達は国土を蹂躙され、今なおドイツ国民はその多くが危機にさらされている」
声の語尾が震え、彼女の視線がイヨウ中佐へと戻る。虚ろだった眼には、やりきれぬ怒りが込められていた。
/#゚、。 /「この上更にベルリン市民を、国民を見捨て、私に逃げろと!?無能で無力な私の代わりに奴らと戦う君たちを置いて、私に逃げろと言うのか!?」
(=゚ω゚)ノ「それが、首相の義務ですよぅ」
首相の視線を真っ向から受け止めながら、イヨウ中佐は言い放つ。
机の向こう側に身を乗り出し、負けず劣らずの怒りと決意を込めた視線を、首相にぶつける。
(=゚ω゚)ノ「そして我々軍人の義務は、“貴女たち”国民を、ドイツを、人類を害する敵に立ち向かうことです。
貴女の気持ちは解るが、ここは我々の仕事場だ」
/ ゚、。 /「………」
(=゚ω゚)ノ「首相」
イヨウ中佐は、椅子から立ち上がると首相に向けて陸軍式の敬礼を贈る。
(=゚ω゚)ゝ「ドイツを、ドイツ国民を、お願いします」
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