130: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/14(日) 02:23:32.73 ID:uN3uvxTa0
『オオォ────アアアァッ!!?』
走り出した此方に向かって、背中の砲を向けるホ級。だがその真上から、弧を描いて飛んできた砲弾が突き刺さる。
『ア゛ア゛ッ!?ア゛ア゛ア゛ッ!?』
砲撃は1発では終わらない。2発、3発、4発と途切れることなくホ級を襲う。砲塔、頭部、腕、また砲塔といった具合に、身体のあちこちが爆炎に焼かれる。
『オア゛ッ』
砲撃の飛来箇所を確かめようとでもしたのか、不用意に振り向いたホ級の左肩に120mm迫撃砲弾が突き刺さり、半ばまで埋まった後に炸裂する。
『グア゛ッ……』
腕が千切れ飛び、ぶよぶよとした肉片がそこら中に散乱した。ホ級は道路に投げ出されるようにして倒れ伏し、そのままぐったりと動かなくなった。
《迫撃砲陣地より前線指揮車、支援砲火を敢行した。効果の程を求む》
('A`)「前線指揮車より砲兵隊、敵艦は機能を停止したと思われる。支援を感謝する、引き続き前衛を援護されたし。オーバー」
《了解した、アウト》
('A`)「……さて」
最早二度と此方に砲を向けてくることはなくなったホ級の屍から眼を離し、南側の様子を伺う。
腹の底に響くような砲撃の嵐は、激しさを増し続けている。おそらく、増援部隊の展開区画は地獄の様相だろう。
一方イヨウ中佐達が展開する東側に対しては、全くといっていいほど攻撃は向けられていない。曲がりなりにも機甲戦力と火砲を保有している部隊なワケだが、深海棲艦はどうやら艦娘つぶしに全身全霊を傾ける腹づもりらしい。
それだけ、深海棲艦にとって艦娘とは脅威であり逆に人間はとるに足らない存在というわけだ。
('A`)(まだまだこっちを振り向いてくれないか、つれないね。
だがまぁ、それなら振り向いてくれるまでアプローチをするだけだ)
俺は、イヨウ中佐に通信を繋ぐ。
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