163: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 01:43:39.69 ID:6an8YmUi0
「任せなさい、ガヴリール。今から買ってきてあげるわ」
「いや、別にいいよ。もう遅いし……おい、待てって!」
私はガヴリールの言葉も聞かず、焦げ臭いコートを羽織って寒空の下へと飛び出した。
手芸店までは歩いて十分ほどだ。
私は白い息を吐きながら懸命に走った。
何度か信号無視をしてまで急いだが、店内には灯りがともっておらず、やはり閉店時間をすぎてしまっていた。
私の家には、あの毛糸玉のストックは無いし、万事休すか……そう諦めかけた私は、あることを思い出した。
確か、同じ色の毛糸をヴィネットが買っていたはずだ。
もしかしたら、彼女に頼めば分けてもらえるかもしれない。
私はヴィネットに電話をかけ、これから家に行くので会ってほしいと伝えた。
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