153: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 01:38:13.29 ID:6an8YmUi0
「サターニャさん、それ、本気で言ってますか?」
ラフィエルと目を合わせることができず、机の木目をじっと見ていた私には、その時のラフィエルの表情はわからない。
そのときの彼女の声音は、怒りであらぶっているわけでも、悲しみに震えているわけでもなく、
比較的冷静で……色で例えるなら、無色透明というのが近かったように思う。
ただ、そのセリフは割れたガラスのように鋭く、私の耳にいつまでも刺さったまま抜けなかった。
――すぐに謝らなければ!
私はそうも思ったが、口をついたのは、それとは真逆の言葉だった。
「くどくどと、わかったようなことを上から言ってるんじゃないわよ
前に、私に恩人になりたいのかって言ったわよね。その言葉、そっくりそのまま返すわ」
「サターニャさんの気持ちは、よくわかりました」
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