105:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 08:43:35.75 ID:MjO1zGnk0
「はいっ! 島村卯月はいつも元気です」
『うん、それなら良かったよ。実は少し、心配だったからな』
「心配、ですか?」
『あぁ、渋谷さんのプロデューサーから卯月の調子が悪そうだと聞いていたからな。けど、この感じだと、大丈夫そうだな』
調子が悪い……私は凛ちゃんのプロデューサーさんに、そんな事は言った覚えは無い。
という事は、感付かれたかもしくは、凛ちゃんが私の様子を危惧して、伝えたのでしょう。
余計な真似を……なんて、そんな事は思ったりはしません。
寧ろ、ナイスな判断だと思います。
それがあったからこそ、こうしてプロデューサーさんが電話を掛けてくれたのだから。
『それで、どうだ? ライブの方は順調か?』
「はい。凛ちゃんや未央ちゃん……それに、スタッフの皆さんのお陰で、何とか頑張れてます」
『そうか……しかし、ごめんな』
「えっ?」
『本来なら俺も卯月の傍にいてフォローすべきなんだろうが、一緒にいれなくて、本当にすまない』
「い、いえ、仕方がありませんから。プロデューサーさんも、お仕事でお忙しいですし……」
目の前にはいないプロデューサーさんへそうでは無いのだと、私は空いている手を振りながらそう言いました。
「でも……こうして電話してくれたのは、嬉しかったです。私もちょっぴり、不安だったので……プロデューサーさんの声を聞けて、会話ができて、それも解消されました」
『……ふっ、そんな大袈裟な』
「そんな事はありませんよ、本当の事です」
鼻で笑うプロデューサーさんに、私はそう言って返しました。
プロデューサーさんは分かってないけど、私にとって、あなたはそれぐらいに特別な人なんですよ。
少し話しただけで不安が消し飛んでしまう様な、そんな特別な人。
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