島村卯月「マーキング」
1- 20
104:名無しNIPPER
2017/06/10(土) 08:43:05.51 ID:MjO1zGnk0
「せめて……お話ぐらいは、したいな」


私が天井に向かってそう吐き捨てた、その時でした。


唐突に、どこからか軽快な音楽の音が鳴り、私の耳にへと届きました。


体を起こさずに、顔だけを音のする方向にへ向けると、部屋に隅に置かれた机の上で、チカチカと私の携帯が光を放っている。


音の発生源はそこから……つまり、着信が入った事を、私に知らせているのでした。


「誰からだろう……」


凛ちゃんか、未央ちゃんでしょうか……そう思ってから私は起き上がり、携帯にへと向かってのそのそと歩いていく。


机の上の携帯を手に取り、煌々と輝くディスプレイに表示された名前を見た時、私はカッと目を見開きました。


「プロデューサーさんだ!」


思わず大声を上げてしまった私。けれども、それ程に嬉しかったんです。


プロデューサーさんも美穂ちゃんや響子ちゃんの付き添い、更に自分の仕事もあって忙しいというのにも関わらず、こうして電話を掛けてくれたから。


そして私は慌てながらも電話が切れてしまわない様に、急いで電話に出るのでした。


「もしもしっ! 卯月ですっ!」


『おぉ、卯月。久しぶりだが、随分と元気だな』


携帯越しに聞こえてくる、私が待ち望んでいた声音。


他の誰でも無く、私のプロデューサーさんの声でした。


それを聞くだけで、胸の鼓動が高鳴り、心はときめいてしまう。


さっきまでの憂鬱な気持ちなんて、いつの間にかどこかにへと吹っ飛んでいました。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
199Res/151.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice