98:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 13:00:42.87 ID:WOJJWRsc0
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1
足音が消えた。ドアノブが回転するッ!
(今だ!喰らえッ!)
右足を前に出し、拳を扉めがけて一直線に突き込む!
その瞬間、アビスラッシャーの頭部を模した手甲はその射出口から
大量の高圧水流を放った。
ダムの決壊を思わせるような暴流は、扉を開いて入ってこようとした
黒ずくめの仮面ライダーを今し方上がってきた階段の下へと叩き付けた。
「やったか!?」
あそこまで凄まじい水流をモロに受けたのだから、無傷という訳には
いかないだろう。なにせすぐ後ろは階段である。運が悪ければ受け身
すら取れずに壁に頭を叩き付けて死んでいるかも知れない。
人を殺したかもしれないという恐怖感が満の中にある慎重さを
忘れさせてしまったかのように、あれほど部屋をも出ようとしなかった
満は、相手の状態を確かめるために階段を降りようと...
その瞬間、遅ればせながら満は今の自分が押し流した黒いライダーは
幻だったと気が付いた。
「Nasty vent!」
そう聞こえた相手ライダーのバイザーの電子音声と共に、至近距離から
立っているのも困難なほどの超音波をアビスは浴びせられた。
「ううっ、なんだよ!これ...くそ、立てねぇ...」
「はぁッ!」
してやられた...
階上の部屋の利点を逆手に取られてしまった。
アビスの誤算は姿の見えないライダーが一人だけだと信じたことだ。
確かにそれは半分正解だった。
階下から、階上から物凄い勢いで降りてくる二人分の足音...
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