92:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 12:57:27.25 ID:WOJJWRsc0
「へい!お待ち!」
どんっ!と勢いよくテーブルの上に置かれていく料理を見た満は
たまらず口の端から涎を垂らした。
「味わって食えよ。じゃ、食い終わったら呼んでくれ」
「はい!」
厨房に引っ込んだ店長の背中を見送った満は、そのまま脇目も振らずに
レンゲ一杯にエビチリを掬い取り、口の中に放り込んだ。
「ほわぁぁぁぁあ...」
口の中が香ばしい唐辛子と甘辛く味付けされた匂いで満ちた。
舌がビリビリするほど痺れているのにも拘らず、エビの甘さが辛さで
打ち消されないように味付けされたエビチリは病みつきになる旨さだった。
コップの水を一口含み、今度は豚の内臓と野菜炒めに箸をつける。
噛みきれないほどの弾力を持つ豚の胃袋を噛みきれるように包丁で
刻まれたその切れ目から、人参、ターサイ、青梗菜、ほうれん草の甘みが
肉の隅々にまで行き渡っている。
「で、エビチリをまた一口含んで、と...」
辛さと甘さのハーモニーを楽しむように、満は夢中で食事を楽しんだ。
鏡の向こうから恨めしそうに自分を睨み付ける二体の契約モンスターの
抗議の視線もなんのその、あっというまに三食全てを完食したのだった。
「店長〜。お会計お願いしま〜す」
「はいはいはい。えっと三品で2000円ね」
「じゃあ2000円丁度でお願いします」
「はい。確かにお預かりしました。また来て下さいね〜」
「ごちそうさまでした〜」
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