52:名無しNIPPER
2017/04/24(月) 12:31:58.02 ID:WOJJWRsc0
五分後...
「ほら!サービスだ。熱いうちに食べな」
厨房から再び戻ってきた店主が持ってきたのは八宝菜だった。
「えっ、いいんですか?」
「おうよ。これは俺からのサービスだ」
お皿に盛った八宝菜を炒飯にかけた店主は満足げな微笑みを浮かべ、
そのまま厨房へと引っ込んでいった。
「須藤さん。なんだかここのお店、俺好きになりそうっす」
「ええ。あの店長さんは素敵な人ですからね」
とろりとした餡掛とエビやウズラの卵、キクラゲなどの歯触りの良い
食感が炒めた飯に絶妙にマッチングしていた。
一口頬張れば頬が落ち、二口食べれば涙が溢れる。
「人の親切の味っていうのはこういう味のこと言うんですかね」
「ええ。きっとそうでしょうね」
涙を流しながら、満は黙々と箸とスプーンを動かす。
30分後...
「ごちそうさまでした。いや〜美味しかったです」
「いえいえ」
会計を済ませ、店を後にした満と須藤は裏道からそのまま大きな
通りへと出る。
人混みに紛れながら、周囲を注意して情報交換を再開する。
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