469:名無しNIPPER[sage]
2017/09/27(水) 19:48:58.62 ID:JB4A+Idt0
〜〜〜
ドラグブラッカーを得た城戸真一はまさに最強に相応しい契約者だった。
契約者の戦い。そう神崎士郎はこの戦いのことを評していた。
自分の内で暴れる凶悪な破壊衝動を満たすことさえ出来れば良いと考えている
真一にとってはどうでも良いことだったが、士郎曰く、この戦いはいずれ来る
戦いの前哨戦というものらしい。
彼の両親が、生まれつき真一の心は壊れていると評したように人としての大切な
何かが致命的に欠けていた『リュウガ』は、翼を得た虎のように次々に神崎士郎の
口車に乗せられた哀れな人間達を殺し続けた。
契約者と共に戦うに相応しい契約獣を選定する戦いには様々な人間が士郎の
口車に乗せられて参戦していた。
正義感に燃える警察官、チンピラ、普通の小学生、窓際族のサラリーマン等が
それぞれの内に抱えた心の中の欲望を契約した獣達に与えることで契約獣は
より強大に、より醜悪な姿へと己を変貌させていった。
最後の一人になれば、どんな願いも叶えられる。
『合わせ鏡が無限の世界を形作るように、現実における運命もひとつではない』
『同じなのは欲望だけ』
『全ての人間が欲望を背負い、その為に、戦っている』
『その欲望が背負い切れないほど大きくなった時、人は、ライダーになる』
『ライダーの戦いが始まるのだ』
しかし、真一の契約獣であるドラグブラッカーは契約主の殺戮本能を幾たび
注がれてもその姿を醜く変えることは一度も無かった。
なぜなら『リュウガ』はミラーワールドで最初に生まれたライダーだからだ...。
奇跡に縋るしかない哀れな人間達が怪物に叶う道理などどこにもなかった。
485Res/614.50 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20