462:名無しNIPPER[sage]
2017/09/27(水) 19:45:29.04 ID:JB4A+Idt0
「分かったよ。しょーがねーなぁ」
一軒家の二階の窓から雨樋をつたって、仲の良い兄弟は深夜の町を自転車で
どこまでも駆けていく。
「で、真二。お前は俺に何を見せたいんだ」
「いいからいいから。俺に着いてきてよ。兄ちゃん」
自転車をこぎ続けること30分、真一が辿りついたのは廃遊園地だった。
「なんだ?ここ十年以上前に潰れたところだろ」
正門の横に自転車を置き、雨風に晒されボロボロになった壁の穴から二人は
鼠のように遊園地に忍び込んだ。
「ふふーん。兄ちゃんはこの遊園地に伝わる噂、知らないだろ?」
「なんだよ。その噂って」
懐中電灯で暗い道を照らしながら、真二は得意げな表情を浮かべてこの遊園地に
伝わるという噂話を始めた。
何を伝えたいのか要領を得ない説明だったが、弟が言うにはこの遊園地には
女の子の幽霊が出現し、その子はミラーハウスを根城にしている。その子に
ホイホイついてくと、ミラーハウスの鏡の中に閉じ込められ、その鏡の中に潜む
『何か』に食べられてしまい、二度と家に帰れないというありきたりな話だった。
「真二、お前はガキだなぁ。まさかそれ本気で信じてるのかよ」
「信じてるよ。だってその女の子の幽霊は俺の友達だもん」
「はぁ?」
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