436:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 21:59:50.93 ID:Nkr8DRMT0
第二十八話 死闘、開戦
アビスとタイガが辿りついた今回の戦場は、身を隠す遮蔽物が何もない
夜を模した満点の星が瞬く月下の砂漠だった。
煌々とアビスとタイガを照らす満月の月明かりと星々の煌めきだけが
唯一の光源だった。
見渡す限り途方もなく広がる砂漠は、地の利を生かして一撃翌離脱の奇襲戦法を
得意とするタイガと、正面切って力でゴリ押しする白兵戦特化のアビスにとって
著しい不利を強いていた。
「strike vent」
タイガは盾代わりとなる巨大な虎の爪を模した籠手を呼び出し、油断なく
周囲を警戒する。
土中を自在に泳げるアビスハンマーは、既に龍騎に変装した城戸真一によって
瞬殺されてしまい、残されたアビスラッシャーは白兵戦に特化しているが故に、
迂闊にアドベントのカードを切ることは出来ない。
何故なら、相手の手の内が分からないうちに...
「佐野!」
「のわあああっ!」
油断なく周囲を警戒していたタイガが、慌ててアビスの身体を引っ掴み自分達が
現在立っている場所から全力で飛び退く。
ドガアアアアアアン!!
わずか一瞬の差だった。
先程まで自分達が立っていた場所に、巨大な砲弾が着弾した。
巻き上げられた大量の砂が目眩ましとしてタイガとアビスの頭上に降り注ぐ。
「クソッ!視界が悪すぎる!」
ピンポイントに二、三、四弾目と、タイガとアビスが回避しようとする
場所へと巨大な砲弾が次々と着弾する。
カードをバイザーにベントインしようにも、それだけの時間がない。
そして....
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