432:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 21:43:10.26 ID:Nkr8DRMT0
「私の背中には預けられた命がある!」
「守れなかった命もある!だが、これ以上...これ以上」
「神崎士郎!貴様に私の仲間を殺させはしない!」
遅ればせながら、香川英行は自分が甚だしい思い違いをしていたことに
気が付いたのだった。
未だ英雄に至れない英雄志望者(オルタナティヴ)は、奇しくもかつて満が
自分に語ったもう一つの英雄としての在り方を体現している存在が、今まさに
自分の目の前に立っている事に唐突に気が付いた。
自分が掲げなければいけなかった英雄の覚悟と在り方は、多くを救う為、
一つを犠牲にする勇気ではなかった。
一人でも多くの誰かを守る為に、自らの身を挺し、命を張って最後まで
戦い続ける覚悟と信念こそが真の英雄なる為に必要な勇気だったのだ。
東條の最後と、真司の激昂を通して香川英行はようやくその答えに
辿りつくことが出来た。
英雄はなろうと思ってなれるような存在ではない。
多くの困難と苦難に真正面から立ち向かう中で、それに屈しないだけの
心の熱さと強さを持つ者だけが成り得る存在なのだから。
何もかもを失った自分だからこそ、ようやくその入り口に立てたのだ。
ならば、これから自分がしなければならないことは...
最後まで自分の掲げた英雄像(エゴ)を貫き通すのみなのだから。
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