419:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 21:34:32.89 ID:Nkr8DRMT0
神崎士郎はライダーバトルの完遂を狙うだろうし、神崎陣営に与する
ライダー達もそれぞれの思惑はあれど、神崎士郎と同様に自らの願いを
叶えるべく動き出している筈だ。
「神崎さん。ちょっといいですか?」
ただ、何をすれば良いのか分からない三人に対して、満だけが不自然な
までに冷静な対応を取っていた。
優衣を部屋から連れ出した満は、階段を降り、休憩時間中で誰も人がいない
花鶏のホールのテーブルの前に立ち、優衣との先程の話の続きを再開した。
「神崎さん。アンタは、これからどうしたいんですか?」
「アンタと、アンタの兄貴のせいで俺達は死ななきゃいけないんですよ」
「香川先生も、仲村さんも、城戸さんも、家族と未来がある身なんです」
「断じて、化け物風情に捧げる生け贄になんかなっちゃいけない人なんだ」
「香川先生にはな、アンタが死んだ時と同じ位の歳の息子がいるんだぞ?」
「アンタとクソ兄貴と違って、幸せ一杯に毎日を過ごしてるんだ!」
「アンタが生きているせいでしなくてもいい尻拭いを先生はやってんだよ」
神崎士郎がライダーとして選んだ人間達の命を無価値なものだと断じる
ように、佐野満も人間ではない神崎優衣の命を無意味なものと断じた。
何故自分はこんなことを言っているのか?
それすらも理解し切れていない満だったが、ただ一つだけ理解できている
真実があった。
それは、神崎士郎は神崎優衣の為に命を張るということだった。
そして、それしか自分達が神崎士郎の仕組んだライダーバトルに勝てない
ということも満は理解していた。
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