416:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 21:32:48.18 ID:Nkr8DRMT0
「兄貴....」
真司の顔が悲痛な表情を浮かべる。
たとえどんなに乱暴な兄だったとしても、真司に対しては暴力を振るう
どころか、良き兄として自分とともに育ったかけがえのない存在である。
そんな大切な存在が自分のせいで今も苦しんでいるとなると、真一をして
特別な存在と言わしめた真司にとって、その結末はあまりにも酷すぎた。
「優衣ちゃん...。じゃあ、真一は、俺の兄貴は」
「ミラーモンスターに、なっちまった...ってことなのか?」
「違う!真一君はミラーモンスターじゃない!私と同じ存在よ!」
真司の悲しみに満ちた視線に耐えきれず、神崎優衣は真司の問いかけを
真っ向から否定した。
しかし、その否定に対して懐疑的な視線を向ける男がいた。
「神崎さん。じゃあ、ミラーワールドにはどうして人がいないんだ?」
今まで疑問に思っていなかった当然のように受け入れられていた鏡の
世界における最大の疑問点に満が突っ込んだ質問をした。
「だって、鏡の中の神崎さんとと現実世界の神崎さんが合体したんだろ」
「だったら、そこら辺を歩いている人も同じじゃないとおかしいじゃん」
リュウガの正体に迫ろうとする質問に図星を突かれた優衣はその問いかけにあえて答えず、
逆にミラーワールドとは何かという問いかけに対し、その真実を満達に返した。
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