415:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 21:31:18.54 ID:Nkr8DRMT0
「神崎さん。俺はあんたの言ってることを信じることにするよ」
香川と真司と満の三人が黙りこくる中、仲村創だけが神崎優衣との
会話を続けていた。
「その上でいくつか質問したい。答えられるだけ答えてくれ」
「まず一つ、君はいつから鏡の中の城戸真一に出会ったんだ?」
「....ミラーワールドの真一君と出会ったのは、あの日の一週間後です」
「お兄ちゃんに連れられてミラーワールドに入った時」
「真一君は、あの日と変わらない姿で私の前に現れました」
「その時、城戸の兄貴は君に何を言ったんだ?」
「恨み言か?それとも感謝なのか?」
「....言いたくありません」
「そうだよな。考えてみれば意味不明な存在にされちまったんだもんな」
「俺だったらぞっとするなぁ。誰もいない鏡の世界で独りぼっち」
「人一人いない世界で動くものと言ったらミラーモンスターしかない」
「君と同じ存在の神崎士郎だっていつまでもそいつの傍にはいられない」
「そりゃ弟である城戸を恨むわけだ」
「神崎がいかにも考え付きそうな姑息で卑怯な手段だな」
「ミラーワールドで活動するライダーにこれ以上の適任者はいないよな」
「なにせ時間無制限でライダーの力を揮う事が唯一可能な被験体」
「ようやく合点がいったぜ。城戸の兄貴は君を守るシステムなんだよ」
「城戸の兄貴の生きたいって思いを利用したこれ以上ない卑劣な策だよ」
仲村の私怨まみれの糾弾は、まさに正鵠を射ていた。
優衣の話は真実である。
もしその真実が九割がた合っているのであれば、城戸真一は自らの生死が
曖昧な状態で数年間ミラーワールドで孤独に過ごしている事になりかねない。
並の人間であればいつ発狂してもおかしくない状況である。
485Res/614.50 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20