411:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 21:26:47.78 ID:Nkr8DRMT0
「私は十数年前に死にかけ、一度命を落としたの」
「お兄ちゃんは本当に嘆き悲しんだんだ」
「未来を見る力、厳密に言えば少し違うけど」
「少し違う?神崎さん、その力の内容をもっと具体的に教えて下さい」
「私も良く理解は出来ていないんですけど...なんというか、その」
「隣り合わせの鏡を覗き込んで、いくつもの未来を垣間見る」
「私がお兄ちゃんから聞けたのは、そこまでです」
神崎優衣の言っている事はおそらく並行世界の概念のことだろう。
ある一つの世界で選択されなかった選択肢の可能性が実現された世界。
神崎士郎はそういった膨大なパターンの中から、自分にとって都合の
良い結末が訪れた未来を垣間見れるらしい。
「未来を垣間見る?ということは、神崎君はそれを自由に出来ると?」
待てども待てども神崎士郎の手の内を知る事が出来なかった香川にとって
優衣からもたらされた情報はまさに天恵そのものだった。
超能力は香川の専門外だが、現に科学という枠組みに落とし込まれたの
であれば、まだ幾らでも対処のしようがある。
例えば一つのある未来に、ここでは神崎優衣に士郎がライダーバトルの
勝者の命を与え、優衣が新たな生を得る事象へと全ての現象が収斂すると
仮定する。
神崎士郎単体で未来予知が出来るとは考えにくい為、ミラーワールドを
存在せしめているコアミラーのなんらかのバックアップ機能を行使しつつ
隣り合う、あるいは並行し合う幾重にも重なり合ったミラーワールドから
オーディンが勝利する未来を観測出来るとする。
この際、神崎士郎は自分が可能な範囲で可能な限りライダーバトルに
おける不安要素を完全に取り除こうとするはずである。
しかし、未来は常に不安定で定まらない。
オーディンが勝利する未来があるとすればその逆もまた然り。
問題は、神崎士郎の未来を垣間見るという最悪の能力がどれくらいの
精度と範囲に適応されるかである。
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