381:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/23(火) 12:37:59.07 ID:JcVHvI7Q0
「さて、仲村君。本当にいいんですか?」
「ああ、俺が東條のデッキを使うことですか?」
「ええ。本来なら君はタイガよりもオルタナティブの方が使い慣れている」
「それに...私も東條君に対して深い思い入れがあるものですから」
あの日、香川の家で開かれたミーティングで佐野を先に帰した後、
仲村がタイガのデッキを使う事に香川は猛反対した。
疑似ライダーは神崎士郎のライダーバトルのデメリットを背負う事なく
ライダーバトルにライダーと遜色ないスペックで参戦できる優位性を
持っている。
仲村が言っている事は本末転倒に他ならない。
自らが持つ安全を捨ててまで他のライダーと同じ土俵に立った上で、
ライダーバトルに参加し、命を軽々に放り投げようとする事に一体どんな
意味があるというのだろう。
だから、香川はあえてそのことを仲村創に問いただした。
香川の問いに、仲村は要領を得ない答えではあるがこう答えた。
「確かに先生の言う事の方が正しいと思ってます」
「でも、こればかりは先生に言われても譲れないんですよ」
「東條が男を見せて、意地を張ってミラーワールドの戦いで死んだんだ」
「我ながら馬鹿げたこと言ってるなとは思ってるんです」
「だってこれは結局の所、蛮勇でしかないんだから」
「けど、アイツが死んでも尚、俺は東條に負けたくないんです」
「アイツがタイガのデッキを使い、命を落としたのなら」
「俺はタイガのデッキを使って、最後まで生き残ってみせる」
「誰の為でもない、アイツを超えたいと思う自分のプライドの為に...」
仲村の言葉に何も反論できなくなった香川は、その主張を認め、仲村の
持つタイガのデッキとオルタナティブのデッキを交換したのだった。
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